脳神経外科

脳神経外科

neurosurgery

頸椎疾患について

頚椎疾患について考えるときに、いささか堅苦しいお話から始めますことをお許しください。
まず人類が直立歩行することに思い返してみなければなりません。2足直立歩行によって、前肢は体を支える支持機能から解放され自由に使えるようになります。そうなれば脳が発達する衝動が持続します。また頭部を背骨の最前部にぶら下げる状態から背骨の最上部に乗せる格好になり頚部筋群の負荷が大きく減ります。脳がさらに発達し頭部が重くなってもしっかり頚椎にささえられ、自然淘汰の厳しい自然界の中でも生存に合理的で今日地球上で圧倒的に繁栄君臨するに至ったと断言できます。重い脳を支えながら頭部の可動性を維持し、私たちは天賦の恩恵を受けているのです。頚椎から受けているこの恩恵を忘れ、慈しむことをなおざりにして酷使し続けると頚椎が早く傷んでいろいろな不都合が生じるようになるのです。

頚椎の形状

前置きは以上にして、頚椎疾患に触れていきましょう。頚椎は骨成分と椎間板、靭帯、筋肉などの軟らかい成分でできています。頭部は多少の個人差はありますが5~8kgの重量程度の負荷が重力方向に沿って背筋をぴんと姿勢のいい状態の頚椎にかかるのであれば、ほとんど頚椎には物理的ストレスはかかりません。終生、健康的な形態が維持されます。

外傷でいきなり骨折して神経組織を損傷する以外、酷使による過剰な負荷(頭部重量が数倍相当になることもある)で骨成分の変形や椎間板ヘルニア、靭帯の肥厚骨化がやがて脊髄および脊髄から分枝する神経根を圧迫するようになるまではかなりの年月を要します。ただし、その前段階で筋肉、靭帯、椎間板が先に変化が生じているはずですので、この段階で少なくともいたわってあげるようにしなければなりません。

頚椎疾患の症状

まず、頚椎周囲の筋肉の疲労性のこり、痛みが後頭部、項部、頚肩部の痛みが生じます、始めは重い感じ、何か乗っかった感じから始まり、ひどくなれば差し込むような痛みでくも膜下出血と変わらないきつい痛みになり、いわゆる寝違えやぎっくり頚で救急車を呼ぶことも多くみられます。とにかく痛みは身体からの警告と思い、痛みが頻回、常習化していればこの段階でただ疲労性の凝り痛みと勝手に思い込まず、たとえそうであっても緩和してあげないとやがて椎間板ヘルニア、靭帯の肥厚骨化、さらに骨変形を惹き起こし脊髄および神経根を圧迫する状態が恒常化してしまうのです。頚椎の専門医を受診して早い目に手を講じることが肝要です。

椎間板ヘルニア、靭帯の肥厚骨化、さらに骨変形部分による脊髄および神経根の圧迫が一旦生じるようになれば徐々に持続する痛みが進行し、頚肩部から腕、手指までしびれが走るようになり、さらに感覚が鈍麻し、うでや手の筋力低下、こわばり、つっぱりが生じて実用性が損なわれ、時には頚肩部を寒さや冷えにさらされたり、就寝中に寝返りをうつとき、重いものを持つなどの咄嗟の入力時に負荷がかかり電気が走るような激しい痛みに襲われるようになるなど、かなり日常生活に差し障りが出てきます。脊髄本体への圧迫が進行すればついにはバランス力が低下して歩行時のフワフワしたふらつき感を自覚するまでになり、こむらがえりもよく起こるようになります。歩行時に下肢も上げにくくなり、よちよち歩きになってちょっとした段差で転倒しやすくなり、階段が怖くなって手すりがなければ転落する危険性もにわかに大きくなります。特に足場の悪いところやエスカレータなどは姿勢維持の反射神経の反応の遅れで重心移動が咄嗟にできず、容易に転倒してその衝撃で脊髄を損傷し手足が動かせなくなり救急車のお世話になることもあるのです。

診察の流れ

共和病院脳神経外科では迅速正確な診断を心がけています。まず訴えを伺い、頚椎疾患が疑われれば頚椎レントゲン検査を詳細に撮り、さらに症状と神経学的所見が頚椎MRI検査で描出される画像所見と合致するかしないか検討して診断治療を違わないようにしています。治療は一番大事な生活指導、養生法の説明から、内服、湿布外用薬の薬物治療、マッサージ(整骨院での施術)、温熱、牽引などの理学療法を的確に導入します。あらゆる手を尽くしても痛みや筋力低下、歩行障害などの症状が改善しない場合は、手遅れにならないうちに手術を最終選択します。手術は全身麻酔下に手術用顕微鏡で安全に確実丁寧に実施しています。出血は前方、後方のいずれの方法も出血量は少なく、輸血は不要です。翌日から飲水でむせなければ普通食を摂っていただき、ネックカラー装着下で離床してリハビリテーションを進めています。創部の痛みも軽微で、症状は脊髄が慢性圧迫で変性したりやせてしまったりしていなければ回復は劇的です。なお手術での入院期間は神経症状によりますがおよそ2~3週間です。

後頭部からうなじのあたりの痛みや頚肩部の凝り痛み手のしびれなどでお悩みの方は、見て見ぬふりをしていることの方がむしろ怖いので、どうか怖がらずに当科をおたずねください。長く一生お世話にならなければならない頚椎です。一人一人にふさわしい頚椎のいたわり方を提案させていただきますのでお気軽にご相談ください。

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