健康教室『食事療法のあれこれ』
3月18日(水)、共和病院カンファレンスルームにて健康教室『食事療法のあれこれ』が行われました。
糖尿病の合併症予防にもっとも効果的な治療法が食事療法です。食事療法というと、「節食」や「我慢」といったイメージがあるかもしれませんが、“食べてはいけないもの”はありません。今回の「健康教室」では、長く続けることのできる食事療法等を紹介させていただきました。
次回もたくさんの方のご参加をお待ちしております!
【なぜ食事療法が必要?】
糖尿病の人は、インスリンの分泌や働きが悪くなっている。
↓
血液中に食事からの栄養(糖)がたまる。
↓
→体に必要な栄養素はしっかり摂る必要があります。
体の状態にあった食事の「質」「量」「タイミング」を考えましょう!
「じゃあ、食事の量を減らせばいいの?」
→この状態が続くと、血管や目、神経などに合併症があらわれる。
【食事療法のポイントとコツ】
1. 食事のタイミングと食べ方
・ 1日3食、規則正しく!
・ 間食は控えよう
・ よく噛んで、ゆっくり食べる
2. エネルギー量を守る
・ 肥満大敵! 体重チェック!
・ 運動、薬物療法との兼ね合い
3. 食品のバランスを考えて
・ 単品で済まさない
・ 主食の「重ね食い」に注意
【自分の標準体重を知りましょう!】
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
【身体活動量は?】
体を動かす程度によって、1日に必要な量が変わります。
・軽い労作(例:事務仕事) 25~30kcal
・普通の労作(例:立ち仕事) 30~35kcal
・重い労作(例:力仕事) 35~kcal
【1日に必要なエネルギー量は?】
標準体重(kg)×身体活動量=必要なエネルギー量(kcal)
*主治医の指示エネルギーがある場合は、それに従います。
*年齢や性別、体格や活動量によって一人ひとり異なります。
共和病院では、個別の栄養相談を行っています。お気軽にお問い合わせください。
Q. 早食いはなぜだめ?糖尿病に影響するの?
A. インスリンの分泌が間に合わず、食後の血糖値が急激に上昇してしまいます。
満腹感を感じるのは、食事開始から15~20分が経ってから!
早食いは食べ過ぎにつながり、その結果、血糖コントロールの乱れや、肥満を招きます。食事を10分以内で終える人は、早食いの傾向あり。
Q. 間食が止められません。ちょっとくらいならいいでしょ?
A. お腹がすく前の食事内容を見直してみましょう!
消化のよい炭水化物だけの食事や、少なめの食事で済ましてませんか?
→すぐにお腹がすいて当然です。
主食と主菜をそろえて食べることでゆっくりと消化吸収が行われ、空腹を感じにくくなります。
間食をちょっとひと工夫♪果物や乳製品を間食として摂る
果物はビタミンの補給には大切ですが、糖質を多く含みます。
→血糖の上昇や中性脂肪の増加を招くことがあります。
どうしても甘いものがやめられないという方は・・・
お菓子やアイスなど、嗜好品を食べる時は、80~160kcalを目安に選びましょう。
Q. 食事は決まった時間に食べないとだめ?仕事で夜遅くなることがあります・・・
A. 工夫をして、食事時間と量をできるだけ一定にすることが大切です!
なぜ1日3食、同じ時間帯に食べることが重要?
→1食抜いてまとめて食べたり、時間を置かずに食べると血糖値は急上昇。
インスリンを分泌する膵臓も疲れてしまいます。
帰宅時間が遅くなるときの対策(1日1600kcalの場合)
⇒夕食(500~600kcal)を2回に分けて
外食や市販のお惣菜などの選び方のポイント
①ご飯は少なめ
②野菜がついている
③たんぱく質のおかずがある(肉・魚・卵・豆腐)
※エネルギー表示を参考にしましょう!
Q. カロリーオフ・カロリーゼロの飲み物だから大丈夫よね?
A. 栄養表示の落とし穴!決して“0カロリー”ではありません。
・「無」「ノン」「ゼロ」
→(100g・100ml中)5kcal以下なら表示できる
・「控えめ」「低」「ライト」「ダイエット」「オフ」
→食品なら40kcal(100g中)・飲料なら20kcal(100ml中)未満なら表示可能
・「砂糖不使用」
→作る過程で砂糖を使用しなければ表示できる
“ゼロカロリーだから”とたくさん摂ってしまっては、
結局エネルギーオーバーしていることも・・・